これからの読書




 
 このブログの設定なんかでPC漬けだったこの半月。
ゆうべやっと、久しぶりに本を開いた。

 ああ、読みやすい〜〜〜〜!

 目を使って字を追って、書いてあることを理解するのが「読む」。だけどPC画面で「読む」のは、ほとんど拷問に近い。あらゆるところにリンクが貼ってあって、読者は色違いの字列に、クリックで反応する訓練がついている。だから、最後まで読む前にとりあえずクリック。15分もすると、自分が一体何をしていたのか(読んでいたのか)ころっと忘れる。

 わたしはときどきダウンロードして本を読むが、PCだと途中でどうしてもブラウザのアイコンをダブルクリックしたい衝動に駆られる。
続きを読む前にクリックしてもらえると、大喜びします→→→banner_01.gif


 洋書を読むとき、わたしは訳さないで読むようにしているので、気をつけないと読み飛ばしが数パラグラフにもわたることがある。「読み飛ばし」というのは、知らない単語をわざわざ辞書を使って調べない読み方だが、わからない単語をすべて読み飛ばすこととはまったく違う。眠かったり酔っ払っていたり、集中力が落ちているときは、読み飛ばしができない。

 そういう肉体的な理由のほかに、インターネットの使いすぎも、読み飛ばしの天敵だ。本を読んでいるときは、さすがにクリックして飛んでいくことはできないのだが、気になったところやわからないところで、中座する悪いくせが顔を出す。

 ゆうべは、いくつかの単語につまづいたとたん、熟睡してしまった!


 集中力が落ちている反省はあとでするとして、久しぶりの読書で「紙の上に印刷された字」への感謝の気持ちを新たにした。紙の柔らかい手触り、微妙にへこんだ活字、インクの黒々とした表情。行間のなんと美しいこと!写真印刷は美しいものの、加工されていない紙の上にきれいに並んだ印刷活字は、読んでいるだけで気持ちが落ち着いてくるような気さえする。

 おなじ「読む」なのに媒体が違うだけで、精神に対する作用がまったく違う。不思議なもので、HTML文書より本の形に近いPDF(アクロバットリーダーで読むファイル)を読んでいるほうが疲れない。それでも、限界はある。

 先月出した「洋書中毒」はのデジブックリーダーで読むファイルで、希望者はフォント(字)も買える。原稿はメモ帳などのテキストファイルで書いているけど、なるほど、本とおなじ形、活字で出力して読むと、読みやすさが違うし、何よりちょっとプロっぽい。同じ内容なのに。

 デジタル出版(ブログも英語では「出版」とおなじ単語を使うけど、この場合書籍のデジタル化のこと)がはじまったとき、将来、紙の本は消滅するのでは?などと言われたものだけど、そして、たしかに本好きな私でもダウンロードして本を読んでいるけれど、本が消えることはありえない。ほかのことと同様、二極化が進むことになるだろうが。情報のためのスピーディーな出版は、もちろんますますコンピューターに依存するだろう。一方で、時間がたっても変わらないもののために、一部の有志は「月と6ペンス」のまま、資料や情報が得易くなったぶん洗練されて、傑作を生み出すのだろう。
 
posted by んでる at 04:42 | Comment(4) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
確かにweb上のものを読むのは、厳しいですよね。日本語でも英語でも。

長い文や行間が狭いと、とても読む気にはなりません。

紙の本はずっと残っていて欲しいです。
Posted by good40ty(洋書と幸福の不思議な関係) at 2006年03月12日 07:29
@good40tyさん

紙の本、なくなりませんよ。とくに日本では。
一言で「読む」ですが、じつは違うことなのかも、などと思いました。
Posted by んでる at 2006年03月12日 08:09
私のブログにコメントを下さってありがとうございます。

試したことはあるのですが、PC上で読むのが苦手です。仕事上、一日中PCの前に座り慢性肩こりと眼精疲労なので、好きな読書をしている時はPCから離れていたい!というのが本音です。
Posted by meggy at 2006年03月15日 13:36
@meggyさん

私も、できればプリントアウトして読みます。
本を読む、ってたんなる「読む」よりももっととくべつですよね。
書き込みありがとうございました。
Posted by んでる at 2006年03月15日 21:09
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのTrackBack URL
http://blog.seesaa.jp/tb/14668899
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。